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Gift Rotation Guide — スニーカー
スニーカーを、
ローテーションで贈る。
同じ人に毎年スニーカーを贈り続けるための考え方。もらう側として毎年NIKEを受け取っている立場から、1足目に無難を選ぶ理由と2足目から振っていい理由、スニーカーを贈るべきでない相手までまとめました。
スニーカーがローテーションに向く理由は「喜ばれるから」だけではありません。もっと構造的なところに3つあります。
1つ目は、定番モデルが消えないこと。Air Force 1 も Air Max 90 も何十年も廃番にならず、毎シーズン配色だけが入れ替わります。つまり「外さないモデル」を固定したまま、中身だけを毎年更新できる。ブランドの側が勝手にバリエーションを供給し続けてくれるので、贈る側がネタを探しに行かなくても候補が尽きません。
2つ目は、消耗品であること。財布や腕時計は2つ目をもらっても片方が引き出しに入るだけですが、スニーカーは普段履きにすれば2〜3年で履き潰れます。買い替えの周期と、誕生日やクリスマスという年1回の周期が、そもそも噛み合っている。「去年のがまだ新品なのに」という気まずさが起きにくいジャンルです。
3つ目が一番見落とされがちなところで、これは相手ではなく贈る側の利益です。ギフトの全ジャンルから毎年ひとつ選ぶのは、単純に難しい。「何が欲しい?」と聞いてもありきたりな答えしか返ってこないのは、聞かれた側も全ジャンルから選べないからです。ジャンルがスニーカーに絞られていれば、考えるのは色とモデルだけ。選択肢が減るぶん、その範囲で凝れます。選ぶ作業が毎年の宿題から趣味に変わる、というのがローテーションの一番実務的な効能かもしれません。
そのうえで、喜ばれるかどうかの話も書いておきます。ここから先は贈る側の推測ではなく、毎年同じ人から NIKE をもらい続けている側の実感です。
1足目は無難な一本でした。2足目から配色が振れはじめて、そこからは「次は何を選んでくれるんだろう」が毎年の楽しみになりました。マンネリになるどころか逆で、期待感の方が年々育っていく。トリッキーな配色や柄は自分では選ばないので、もらってはじめて手に入る種類のものです。そしてそれに合わせて服を考えるのが、出かける前の楽しみになる。「今日はこれに何を合わせようか」と悩めるのは、持っている靴に個性があるからです。
「同じジャンルを毎年続けたら飽きられるんじゃないか」が贈る側の最大の不安だと思いますが、少なくとももらう側からは、そうはなりませんでした。
1年目
Air Force 1 '07 の白。まず外さない一本を置く年。ここでの目的は喜ばせることよりも、サイズを確定させることと、そもそもスニーカーを履く相手なのかを確かめること。もらう側の実感としても、1足目が無難なのは違和感がなく、むしろ好みを読めていない状態で振られるより良いです。
2年目
Air Max 90 の配色違い。ここからもう振っていい。1足目でサイズが分かっているので、この年からは色とモデルに集中できます。もらう側の実感としては、1足目で無難をやったぶん、2足目で配色が変わると「今年は違うのが来た」という変化がはっきり伝わります。逆に無難を2年続けられると、そこで初めてマンネリに近づきます。
3年目
atmos 別注の Air Max 90 のような一本。ここは派手さの話ではなく価格の話です。2年分の反応で好みが読めていて、かつ予算を上げられる年に使う札。毎年これをやる必要はまったくありません。
4年目以降
定番の2代目に戻る、という選択肢が出てくる年。1足目を普段履きにしていれば3年前後で寿命が来ているので、同じモデルの色違いがちょうど必要になっています。ローテーションが何年でも続けられるのは、この買い替え周期のおかげです。
・サイズは「何cm?」と直接聞かない。ブランドとモデルが分かればサイズは絞れるので、履いている靴の話題から入るのが確実です。一緒に買い物に行く機会があれば、そのとき試着しているのを覚えておくだけでも十分。(具体的な聞き方はコラム「「何が欲しい?」は聞かない」に書いています)
・Air Force 1 は細身のつくりで、幅広・甲高の人には窮屈に感じることがあります。長さのサイズが合っていても幅で合わない場合があるので、普段履いているスニーカーのブランドが分かるなら、そこからの相対で考えた方が確実です。サイズ交換に対応しているショップかどうかは、注文前に各ショップの表記を確認してください。
・1年目は白か黒。理由は「無難だから」ではなく、外したときに相手が困らないから。派手な配色を外すと相手は履けず、履いていないことにこちらも気づけません。
・2年目からは振っていい。ここで大事なのは、「派手にするかどうか」と「価格を上げるかどうか」を別の軸として扱うこと。混ぜて考えると、派手にするたびに予算が必要になってローテーションが続かなくなります。配色を振るだけなら1万円台の定番モデルの中でできます。
・2年目以降の判断材料は、前年に贈ったものが実際に履かれているかどうか。履かれていなければ、色ではなくモデル(シルエット)を疑ってください。色が原因だと思って色だけ変え続けるのが一番ありがちな失敗です。履かれない理由はたいてい「持っている服と合わせられない」ことで、それは配色よりシルエットの問題です。
・同じモデルを2代目として贈るときは、前と違う色にする。同じ色だと「気づいてない」と受け取られることがあります。
1万円台
Air Force 1 '07 や Air Max 90 の定番配色。1年目にちょうどいい価格帯。相手に気を遣わせない上限がだいたいこのあたりで、友人相手なら毎年続けても無理がありません。配色を振るだけならこの価格帯のままで何年でも回せます。
2万円台
定番モデルの上位配色やレザー素材。1万円台と見た目の格が変わるので、2年目・3年目で「少し上げた」と伝わります。ここまでは毎年でも回せる価格帯。
4万円以上
別注・コラボモデル。節目の年だけに使う枠です。毎年これをやるとローテーションそのものが続かなくなるので、価格を上げる年と戻す年を意識的に作った方がいい。翌年に1万円台へ戻しても、配色かモデルが変わっていれば手抜きには見えません。
・靴に強いこだわりがある人。自分で調べて選ぶ過程そのものが趣味になっている相手には、スニーカーを贈らない方がいい。喜ばれないのではなく、選ぶ楽しみを奪ってしまう。
・スニーカーを履く生活をしていない人。革靴中心の職場、安全靴が必要な現場、制服がある仕事。休日だけ履くとしても年1足はペースが速すぎます。
・足の形が合わない人。幅広・甲高で Air Force 1 のような細身のモデルが窮屈になる人は一定数います。一度「痛い」と言われたジャンルは、色やモデルを変えても解決しません。
・靴の収納に余裕がない相手。ローテーションは毎年1足増えることが前提なので、玄関の狭いワンルーム暮らしの相手には、3年目あたりで物理的に無理が出ます。消えものに切り替える判断が必要。
・サイズを聞ける関係性でない相手。上司や取引先など、足のサイズの話が不自然になる距離感なら、サイズのないジャンル(インク、スキンケアなど)の方が向いています。