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プレゼントがマンネリ化する本当の理由

毎年のプレゼントがマンネリになるのは、同じものを贈っているからではありません。むしろ毎年変えようとしていることが原因です。マンネリが生まれる構造と、どこで方向を間違えるのかを書きました。

マンネリの原因は「変えていないこと」ではない

毎年のプレゼントがマンネリになってきた。この状態の原因として真っ先に疑われるのは、同じようなものを贈り続けていることです。だから来年は違うジャンルにしよう、と考える。 ところが、ジャンルを変え続けている人ほどマンネリを感じています。ここが逆説的なところで、実際に行き詰まっているのは「毎年違うものを贈ろうとしている人」の方です。 この記事では、なぜそうなるのかを書きます。今年の1つをどう決めるかという実務的な話は、別の記事にまとめました。

毎年ジャンルを変えると、毎年ゼロから探すことになる

去年はマフラー、一昨年は財布、その前はグラス。毎年違うジャンルを贈っている場合、来年も全ジャンルの中から1つを選ぶことになります。 これは毎回、初めて贈るのと同じ作業です。積み上がるものがありません。3年分の経験があっても、4年目の探し方は1年目とまったく同じところから始まる。 そして全ジャンルから選ぶのは、単純に難しい。選択肢が多すぎると、人は無難なところに落ちます。結果として、当たり障りのないものを選び続けることになる。 毎年違うものを贈っているのに、毎年似たような手応えのなさが残る。これがマンネリの正体です。同じものを贈っているからではなく、同じ探し方を繰り返しているから飽きています。

変えているのはジャンルで、変わっていないのは深さ

もう少し正確に言うと、変わっていないのは深さです。 毎年ジャンルを変えると、そのジャンルについて浅い理解のまま選び続けることになります。マフラーを1回しか贈らなければ、素材の違いも長さの違いも分からないまま終わります。翌年は別のジャンルなので、その知識は使われません。 逆にジャンルを固定すると、2年目には去年の反応が分かっています。3年目には相手の好みの方向が読めている。同じジャンルの中で、選ぶ精度が年々上がっていきます。 変化の量で言えば、ジャンルを変える方が大きい。けれど贈り物としての深まりで言えば、ジャンルを固定した方が明らかに進みます。マンネリを感じるのは、変化の量ではなく深まりのなさの方に反応しているのだと思います。

もらう側は「またこれか」と思っていない

ここから先はもらう側の実感です。 毎年同じ人からNIKEのスニーカーをもらい続けていますが、ジャンルが固定されていることをマンネリだと感じたことはありません。1足目は無難な一本でしたが、2足目から配色が振れはじめて、そこからは「次は何を選んでくれるんだろう」が毎年の楽しみになりました。 ジャンルが読めているのに中身が読めない。この状態が一番期待できます。何が来るか完全に分からない状態より、範囲が決まっていてその中身が読めない方が、待つ時間が楽しい。 そしてもらったスニーカーに合わせて服を考えるのも、出かける前の楽しみになります。トリッキーな配色や柄は自分では選ばないので、もらってはじめて手に入る種類のものです。 つまりマンネリは、贈る側だけが感じていることがあります。同じジャンルが続くことを、もらう側は繰り返しではなく蓄積として受け取っています。

ただし、本当にマンネリになるパターンもある

同じジャンルを続ければ必ずうまくいく、という話ではありません。マンネリが実際に起きるパターンが2つあります。 ひとつは、変え方の軸が1つしかない場合です。スニーカーで3年、毎回色だけ変えてきた。これは同じことの繰り返しに近づきます。ジャンルの中には色以外の軸が必ずあるので、モデル、素材、丈といった別の軸を持つ必要があります。軸が1つのままだと、ジャンルを固定した意味が薄れます。 もうひとつは、ジャンルの中に十分な幅がない場合です。数年に一度しか型番が変わらない高価な家電のようなジャンルは、2年目で候補が尽きます。絞ったのに凝る余地がない、という状態になる。この場合は、ジャンルを固定したこと自体がマンネリの原因になります。 どのジャンルなら幅が足りるのかは、別の記事にまとめました。

無難を続けることの方が、実はマンネリに近い

最後にもうひとつ。 1年目に無難なものを選ぶのは正しい判断です。相手の好みが読めていない状態で振ると、外したときに相手が困ります。 問題は、それを2年、3年と続けることです。無難なものは外れませんが、記憶にも残りません。「今年も何かもらった」で終わります。 もらう側の実感としては、無難が2年続くとそこで初めてマンネリに近づきます。1足目が無難なのは違和感がありませんが、2足目も無難だと、次の年に期待するものがなくなる。 だから2年目からは振っていい。ジャンルを変えるのではなく、同じジャンルの中で振る。マンネリを解く方向は、ジャンルの外ではなく内側にあります。