KASANE

Home / Column / ローテーションに向くジャンル・向かないジャンル

Column

ローテーションに向くジャンル・向かないジャンル

毎年同じジャンルを贈るローテーションギフトが成立するジャンルと、しないジャンル。3つの判定軸で見分ける方法と、実際のジャンルを当てはめた結果をまとめました。

絞れば必ずうまくいくわけではない

ジャンルを1つ決めて、毎年その中身だけを変えていく。この贈り方には、選ぶのが楽になるという明確な利点があります。全ジャンルから1つを選ぶより簡単で、簡単になったぶんの余力を、その狭い範囲で凝ることに使えます。 ただし、どのジャンルでも同じように効くわけではありません。 うまくいかないパターンははっきりしていて、2年目に「去年と同じようなものしかない」となる場合です。ジャンルを絞ったのに、中身の選択肢まで一緒に絞られてしまうと、凝る余地が消えます。こうなると、ジャンルを固定したこと自体が行き詰まりの原因に変わります。 制約があるから凝れる。ただし制約の中に十分な幅があるときだけ。ここがこの贈り方の前提条件です。

3つの軸で判定する

幅があるかどうかは、3つの軸で見当がつきます。 1つ目は、定番が廃番にならないか。定番のモデルが何年も残っているジャンルなら、「外さない選択」を毎年キープしたまま中身だけを変えられます。定番が消えるジャンルは、毎年ゼロから探し直すことになります。 2つ目は、新色や新作が年周期で出るか。ブランドの側が勝手に候補を供給し続けてくれるジャンルなら、贈る側が探しに行かなくても候補が増えます。逆に数年に一度しか更新がないジャンルは、2年目で手詰まりになります。 3つ目は、消耗するか。使えばなくなるものは、そもそも毎年もらう理由が構造的にあります。何年も残るものは、2つ目が届いた時点で片方が使われなくなる。 3つすべてを満たす必要はありませんが、1つも満たさないジャンルは毎年のローテーションに向きません。

3軸をすべて満たすジャンル

まず、条件が揃っているジャンルから。 スニーカーは3軸すべてを満たします。定番モデルは何十年も廃番にならず、毎シーズン配色が入れ替わり、普段履きにすれば2〜3年で履き潰れます。ローテーションの入口として一番扱いやすいジャンルです。 クリスマスコフレは、実は最も構造的に強い。毎年11〜12月に限定セットが出ることが業界のサイクルとして固定されていて、中身も毎年変わります。去年と同じものを贈りたくても、そもそも売っていません。ローテーションで一番難しい「去年と違うものを探すこと」が自動的に解決されます。 万年筆のインクは、候補の数が突出しています。国内メーカーだけで数十色、限定色が毎年出て、定番は廃番になりません。しかも1本2,000円前後から始められるので、何年でも続けられます。 スキンケアやヘアケアといった消えものも、この分類に入ります。使い切る周期と年1回の贈り物が噛み合っています。

条件を部分的に満たすジャンル

次に、工夫すれば成立するジャンル。 ネクタイは消耗しません。何年も残るので、束が飽和する可能性があります。ただしこのジャンルには「外した年も無駄にならない」という別の性質があります。締めるときの比較対象になるので、選ばれなかった一本も機能する。柄という変え方の軸が広いことも合わせて、条件を補っています。 ピアスも消耗はしませんが、なくします。片方だけ落とす、旅行先に置いてくる。手持ちが減っていくジャンルなので、毎年1つ増えても飽和しません。 Apple Watch のバンドは、付け替えが最初から想定されています。増えることが本来の使い方に近づくジャンルなので、消耗しなくても成立します。ただし本体を持っている相手にしか贈れません。 マフラーやキャップのような季節もの・身に着けるものは、使用機会の多さで結果が変わります。使う季節が短いジャンルほど、束が早く飽和します。

モノを贈り尽くしたときの逃げ道

ここまではモノの話をしてきましたが、モノにはいつか限界が来ます。財布も時計も鞄も一通り贈って、来年は何にしようかと詰まる。何年も同じ相手に贈っていれば、必ずここに行き当たります。 そこで効くのが旅行です。 行き先が尽きません。北海道に行ったなら次は沖縄、温泉なら箱根の次は草津。国内だけでも回りきれない数があり、海外まで広げれば構造的に候補が枯れません。しかも同じ場所でも、その年の自分たちで体験が変わります。 そして、この贈り方の一番の弱点が旅行だけには存在しません。置き場所です。スニーカーもマフラーも美容家電も、続けていれば必ず収納が限界に来ます。旅行は何年続けても、家の中が何も変わらない。長く続けるという意味では、ここが決定的な違いです。 ここから先はもらう側の実感ですが、毎年旅行に連れて行ってもらっていて、これはもらったという感覚と一緒に過ごしたという感覚が同時に残ります。モノにはない残り方です。 ただし旅行には、モノにはない制約があります。相手の時間を使うことです。休みが合わなければ成立しないし、日程調整が要るのでサプライズにもしにくい。ジャンルの中身ではなく、相手の状況で決まる部分が大きいジャンルです。

毎年のローテーションには向かないジャンル

最後に、正直に書いておくべきジャンル。 本格美容家電は、3軸のどれも満たしません。型番が変わるのは数年に一度、一台が10年近く使えて、単価が3万円から8万円。毎年これを続けるのは、贈る側の負担としても、もらう側の置き場所としても現実的ではありません。 ただしこのジャンルには、他にはできない役割があります。友人や彼女には贈れない価格帯だからこそ、関係の近い相手に贈る意味が出る。「自分では絶対に買わない」線が、他のどのジャンルより高いところにあります。 だからこのジャンルは、毎年ではなく2〜3年周期で回します。ジャンルを固定するという考え方は同じで、周期だけが違う。間の年は消えもののジャンルを挟みます。 同じことが、財布や腕時計のような高単価で長持ちするものにも言えます。ローテーションに向かないというより、周期が違うと考えた方が正確です。

相手の側の条件も見る

ジャンル側の条件が揃っていても、相手の側で成立しないことがあります。 収納です。ローテーションは毎年1つ増えることが前提なので、置き場所に余裕がない相手には、3年目あたりで物理的に無理が出ます。玄関の狭いワンルームに毎年スニーカーを贈るのは、途中で相手の負担になります。この場合は消えもののジャンルへ移すか、後述する旅行へ移す判断が要ります。 もうひとつは、そのジャンルへのこだわりです。自分で調べて選ぶ過程そのものが趣味になっている相手には、そのジャンルを贈らない方がいい。喜ばれないのではなく、選ぶ楽しみを奪ってしまいます。 ジャンル選びは、ジャンルの性質と相手の状況の掛け算です。どちらか一方だけでは決まりません。

どこから始めるか

これから始めるなら、消えもののジャンルが一番失敗しません。使い切るので在庫が残らず、置き場所も取らず、合わなければ翌年やめても損失が小さい。スキンケア、インク、コスメあたりが入口として扱いやすい帯です。 すでに何年か贈っていて、行き詰まっているなら、これまでで一番反応が良かったジャンルを続けると決めるところから始めます。 ここから先はもらう側の実感ですが、ジャンルが固定されていることをマンネリだと感じたことはありません。ジャンルが読めているのに中身が読めない、という状態が一番期待できます。まず1つ決めることが、贈る側にとっても、もらう側にとっても入口になります。 ジャンルごとの具体的な変え方は、それぞれの記事にまとめています。